最近ではニンニクから抽出されているアホエンの脳卒中に関する研究がなされています。
脳卒中は、ガン・心臓病に次いで日本人の死因の3位となっている病気です。
私達にとって身近なこの脳卒中には、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血の3種類があり、いずれも手遅れになると命を落とす危険性が高い怖ろしい病気です。
脳卒中とは、脳の血管がトラブルを起こす病気で、脳梗塞とは脳の血管が詰まることにより発症する病気であるのに対して、脳出血とくも膜下出血は、脳の血管が破れることにより発症します。
そこで、ニンニクのアホエンの研究をしているグルーブが動物実験で、アホエンが脳卒中を抑制することを確認しています。
実験では、高脂肪・高塩分の食事を与えて、脳卒中を起こしやすくした動物にアホエンを与えました。
その後の経過では、それまで100%だった脳卒中の発症率が37.5%に低下したのです。
脳卒中の原因の1つには、ストレスによって生じた活性酸素が血管壁を損傷するためと考えられています。
このグループの行った動物実験では、アホエンは血液中の過酸化脂質(酸化された毒性の強い脂質)の発生を抑える作用があることを確認しています。
さらに、SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)や、GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)などの抗酸化酵素(活性酸素を除去する働きのある酵素)を活性化させて細胞の老化を防ぐのに役立つことも分かりました。
今回の結果は、認知症予防の結果と同様で、あくまでも動物の限られた条件での試験から得られたものです。
これが人に当てはまるか、さらに研究の必要があります。
また、生活習慣病の多くは、血管と血液の老化から始まると言われています。
その点でも、アホエンの薬効は注目に値すると言えるでしょう。