竜じぃが亡くなった原因の「肺気腫」とは??
「おじゃましまんにゃわ~」などのギャグで人気があった、「竜じぃ」の愛称で親しまれた吉本新喜劇の井上竜夫(いのうえ・たつお)=本名・井上龍男(いのうえ・たつお)=さんが5日午前4時20分、高度肺気腫のため兵庫県西宮市の病院で亡くなりました。74歳だった。
井上龍男さんは、若い頃に結核を発症し、その影響で長く肺気腫を患っていたようです。
昨年の4月から入退院を繰り返し、その年の12月に開催された新喜劇の感謝祭以降は、舞台から遠ざかっていたようです。
竜じぃを死に追いやった「肺気腫」とはどんな病気なのでしょうか?
肺気腫になれば、治らない病気で、予後も悪いと言われるイメージがありますが、確かにその通りなのです。
しかし、治療方法やリハビリ、手術など、色々な治療法がありますから、早期に治療すれば予後を改善することが出来ると言われています。
そんな肺気腫の初期症状を見逃さず、早期に対策を講じることが大切です。
■肺がスカスカになる??なんて肺気腫とはどんな病気なんでしょう??
長年に渡り、タバコを吸ったり、有害な粉じんを吸ったりなどで、肺や気管支が弱ってくると、慢性肺気腫と言って息切れなどの症状が出たり、慢性気管支炎などを発症したりします。
これらの病気で共通していることとは、有害な粉じんを吸い続けた結果発症していることと、息を吐き出す力が衰えていることです。
また、息が吐き出しにくい症状のことを、閉塞性といわれ、これらの病気を併せて「慢性閉塞肺疾患(COPD)」と呼びます。
肺気腫とは、肺胞の仕切り壁が壊されて、肺胞同士が融合してしまい、その数が減って行き、肺がスカスカになっていく病気なのです。
肺気腫が進むと、正常な細胞が減少するため、肺のガス交換の効率が低下し、身体に必要な酸素を十分に取り込む事が出来なくなりますから、呼吸不全に陥ります。
■細胞が破壊される原因
細胞が破壊される原因は、現在のところハッキリとは解明されてはいませんが、肺気腫の患者の90%が喫煙者と言われています。
個人差はあるものの、罹患率はタバコの本数や喫煙履歴に比例していると言われています。
肺気腫は、タバコの害が顕著に表れた疾病の代表であると指摘されています。
また、先天的、遺伝的に肝臓で作られるタンパク質分解酵素を抑制する物質が欠乏しているケースもあります。
この場合は、タンパク質分解酵素によって、肺胞がやられ肺気腫になりますが、日本人にはあまりなく、希なケースです。
肺気腫は60~70歳代が多く、加齢による肺機能の低下も病気の進行に影響しているようですが、肺気腫というのは、10年から20年と長い年月をかけてゆっくりと進行するのが特徴です。
自覚症状がないからといっても、若い頃から病状は進んでいると認識されています。
■肺気腫の検査、診断
肺気腫の検査や診断方法は、胸部画像で肺の過膨張を確認します。
これは、肺が固さを失い弾力をなくした伸びたゴム風船のようにイメージになっています。
呼吸器検査では、1秒間に吐き出される息の量を調べて、気管支の開き具合を見ます。
このことは、肺気腫により、気管支が狭くなると、1秒間に吐き出される息の量が少なくなることで分かります。
この検査のことを、スパイロメータという検査機器を使って調べるので、スパイロ検査と呼ばれています。
動脈血採血検査がありますが、これは、肺で酸素と二酸化炭素の交換や空気の入れ換え機能が正常に行われているかどうかを確認する検査です。
空気の入れ換えが旨く行かず、沢山の二酸化炭素が身体に残っていると、頭痛、手の震え、昼間のウトウト寝を引き起こすことがあります。
また、肺の組織を採取し、顕微鏡で観察する生検により、診断が確定されることになります。
■肺気腫の治療
肺気腫の治療は禁煙が絶対条件となります。
肺気腫の治療の大原則は、絶対に禁煙するということです。
肺は再生しない臓器と言われていますし、肺気腫は進行性の病気と言われていますが、進行をゆっくりとさせることは可能なのです。
そのためには、原因と考えられるタバコを止めることが大原則となります。
更に、副流煙を吸うことによっても肺気腫は進行するため、喫煙者の多くいる環境は避けたほうが良いでしょう。
■対症療法
肺は再生しない臓器であるため、また、肺気腫は進行性の病気であるため、根本的に治療することが難しいのです。
肺気腫の治療というのは、出てきた症状により対処療法が中心と言われます。
息切れ、咳、痰などの症状を改善する治療には、気管支拡張薬を用いることがあります。
管支拡張薬には抗コリン薬(スピリーバ等)とベータ2刺激薬(セレベント、ホクナリンテープ等)などがあります。
肺気腫の場合は、気管支喘息と違い、抗コリン薬が有効ですが、症状により併用されることもあるということです。
肺気腫が進行すると、少し歩いたりするだけでも呼吸が苦しくなったりしますが、このような場合には在宅酸素療法が行われます。
これは、自宅で酸素ボンベで吸入したり、外出時に酸素ボンベを携行したりして、酸素を吸入する治療法で、患者の行動を著しく拡大することができます。
在宅酸素療法の原因疾患で最も多いのが、肺気腫であり、全体の約40%を占めていると言われています。
さらに、風邪やインフルエンザにより肺気腫は急激に悪化することがあるため、定期的なうがいとインフルエンザワクチンの接種が推奨されます。
竜爺の肺気腫もしんどい病気なんですが、まずはお腹の脂肪の絞り込みをしないとね、いけませんよ。
デブは駄目です。病気の元です。