脳出血と脳梗塞にも注意が必要! |
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頭痛を伴う高血圧の症状で怖くて気を付けたいのが、脳出血と脳梗塞です。
脳出血は、脳の血管の一部が何らかの原因で破裂し、出血を起こし脳内に血液が溢れかえり脳がダメージを受ける病気です。
高血圧初期の治療が進んだ結果、脳出血で亡くなる人は以前に比べ少なくなりましたが、反面、様々な後遺症である、手足の麻痺、言語障害、知覚障害など、寝たきりになったりと日常生活に支障を来す事も多く、介護を必要とするケースが増加しています。
私達は、脳出血と言えば、突然何の前触れも無く発作を起こし、意識を失って倒れると言った印象がありますが、しかし、それまでに脳血管から滲み出した血液などが、脳内に血腫と言う血の塊を作ります。
血腫が次第に大きくなると、頭蓋内圧が上昇するので、神経が刺激を受けて頭痛がすることも少なくありません。
更に、血腫に圧力がかかり、破裂すると脳出血となります。
従いまして、高血圧の頭痛は、血腫ができ脳出血のリスクが高まりつつあることを示す、大きな1つのサインと言えます。
もちろん、頭痛には肩こりから来ものやその他の要因も多々ありますが、原因不明の頭痛を繰り返す場合は、早めに主治医の診察を受けた方が良いでしょう。
高血圧は、脳出血の原因の60%~70%にもなり大きな要因の1つですが、特に動脈硬化があると血腫が出来やすくなり、また、脳出血を起こしやすくなりますので、40歳以降の中年の方は注意が必要です。
もう一つは脳梗塞ですが、動脈硬化が原因で、血栓などが脳の血管の一部に詰まり、脳の機能にダメージを与える恐ろしい病気です。
この病気の症状は、脳梗塞が起こった場所により、運動系の障害や言語障害といった後遺症が現れます。
脳梗塞の場合は、普通、頭痛の症状が出ることはそれほど多くはなく、梗塞が大きくなると、脳浮腫などから頭蓋内圧が高くなって、頭痛に繋がることがありますから一応の注意が必要です。
脳梗塞では、一過性虚血発作といって、片方の手や足に急に力が入りにくくなる、言葉がもつれる言語障害を起こす、片方の目が見えなくなるなどの一時的な前触れ症状が見られることが多く見受けられます。
そういった場合には、早めの受診をすることと同時に、自分で血圧管理をしっかりとすることが大切です。
高血圧性脳症や脳出血を予防するためには! |
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高血圧性脳症や脳出血を予防するためには、(1)高血圧を放置しないこと、(2)急激な血圧上昇を防ぐこと、が大切です。
(1)高血圧を放置しない
定期検診や人間ドック等で、高血圧やその予備軍と診断されたら、放置せずに病院や主治医に相談し、定期的に検査を受けることが、予防の基本ととなります。
特に頭痛や吐き気、めまいなどがある場合は、高血圧が原因かどうか、たとえ軽い症状であっても原因を把握することが必要です。
仕事が忙しかったり、悩みごとやストレスがあったりすると、気づかないうちに高血圧状態が続いていたりするときがあります。
ストレスは、自律神経系に影響を及ぼしますから、血流の調節機能が低下し、高血圧の影響を受けやすくなります。
自宅でも毎日血圧測定を行い、日々の体調に気を付けるようにしましょう。
ストレスを解消するために、週に3~4回は運動をするよう、また楽しみの趣味を持つことも大切です。
また、睡眠時に大いびきをかく人は、気道が狭くなっていて呼吸が旨くできずに、脳の中の血液の二酸化炭素濃度が高まり、血管が拡張し、頭蓋内の圧力の上昇を招きやすくなります。
その典型が、睡眠時無呼吸症候群ですが、重症化すると脳出血や脳梗塞を起こすリスクが、健康な人と比べると3倍高まります。
大いびきを家族や知人から指摘された場合は、早めに受診し治療を受けるようにしましょう。
(2)急な血圧上昇を防ぐ
スポーツの応援や友達、同僚などとの言い争いなどで興奮すると、血圧が上昇します。
また、入浴時にいきなり熱い風呂に入ったり、トイレで強く力んだりしたときも、血圧が一時的に急上昇します。
このような血圧の急上昇は脳出血の大きなリスクとなり、スポーツ観戦や入浴中、トイレで脳出血を起こして倒れるケースも少なくありますせん。
特に、高血圧の頭痛持ちの方は、脳内に血腫ができ、高血圧脳症になっている可能性もあるので、十分に注意しましょう。
日常生活で気を付けることは、いつも気持ちにゆとりをもち、決して慌てて行動したり、怒って興奮したりしないよう心掛けることが必要です。
一般に、脳出血や脳梗塞は、毎日1合以上のアルコール(ビール大瓶1本程度以上)を飲む人や、タバコを吸う人でリスクが高くなります。
例えば、1日にタバコ40本数人は、吸わない人の比べて、発症リスクは4倍にもあります。
アルコールを控えめにし、禁煙をするだけでもリスクが下がることを知っておきましょう。