頭痛と高血圧! |
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先日の5月17日は、誰が定めたのか知りませんが「高血圧の日」でした。
世界高血圧デーに合わせて日本でも2007年から高血圧のキャンペーンを行っています。
現在の日本の高血圧患者の数は相当数にのぼり、高血圧患者と予備軍を合わせると、約4300万人にもなります。
そのうち、治療を受けているのが4分の1の(24%)に過ぎません。
なぜ、後の4分の3は治療を受けないのでしょうか。
それは、自分が高血圧だとは思っていないのです。
と、いうか、高血圧は痛いとか、苦しいとかの自覚症状が全くないので、治療を先延ばしにしたり、放置したりする人が割と多いのです。
確かに、高血圧には目立った自覚症状はありませんが、唯一意外な症状に頭痛があります。
頭痛は、肩こりや睡眠不足、ストレスなどでも起こりますので、高血圧との関連は余り重要視されません。
しかし、高血圧が原因で頭痛を起こす方が少なくありません。
一般的な頭痛と言うのは、何らかの原因で脳の血管が拡張し、神経を刺激することから起こるのですが、高血圧の場合は少し事情が違ってきます。
仮に血圧が上昇しても、脳内の血流を正常にコントロールする機能が私達には備わっているのです。
ですから、通常、脳の血流圧は影響を受けずに高くなりません。
それなのに頭痛が起こることは、脳内に何らかの異常や動脈硬化などの障害が生じている可能性を示している訳なのです。
実際に、頭痛と高血圧がセットになった場合、怖いことに、高血圧性脳症や脳出血などの重大な病気のリスクが高いことが分かってきています。
ですから、頭痛は高血圧のサインの1つどころか、高血圧の方の頭痛は十分に注意が必要なのです。
たかが頭痛くらいとあなどらずに、頭痛と高血圧の関係を知り、重大な病気の予防を行って下さい。
高血圧脳症に気を付けよう! |
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私達の脳の血流は、様々な調節機能によりコントロールされていますが、脳の活動により代謝が進んで二酸化炭素が増えると血管が拡張します。
代謝が低下すると二酸化炭素も減少して血管を収縮し脳の血流を一定に保つのです。
もう一つは、自律神経系の調節機能で、近年になって研究が進んでいます。
自律神経が障害を受けると脳の血流に変化が生じることから、自律神経系が脳の血流循環に重要な役目を果たしていることが分かってきています。
しかし、何らかの原因で、これらの調節機能の限界を超える異常事態に襲われることがあります。
その原因の1つとして、急激な高血圧や血圧上昇、長期継続型の高血圧などが指摘されています。
個人差はありますが、目安として収縮期血圧が210㎜Hg以上、あるいは拡張期血圧が120㎜Hgを超えるケースでは注意が必要とされています
このような悪性の高血圧の場合は、代謝異常などによって脳本体に水分が溜まって、脳のむくみを起こすと、頭蓋内圧が上昇しやすくなります。
その結果神経が刺激され頭痛が起こると考えられています。
特に早朝に起こることが多いのです。
脳のむくみによって頭蓋内圧が上昇した病態を、高血圧性脳症といいます。
典型的な症状は頭痛ですが、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。
頭蓋内圧の上昇が続けば、痙攣や意識障害、視力障害を起こすリスクが高まります。
それを放置していると、脳だけでは無く、心臓や腎臓などにも致命的な影響や障害を及ぼす恐れがありますから、出来るだけ早く治療を受けて血圧を下げることが必要です。